シーフレンド株式会社

　

　私共は、創業以来、遊覧船事業、造船事業を営んで参りました。

　遊覧船事業では、お客様の安全を第一に考え、海・北上川に触れていただき癒しの場と時間を提供して参りました。

　それとともに造船事業では、お客様のご要望にきめ細やかに対応させて頂きご満足いただける船を建造・修理・改修して参りました。

　しかしながら、造船事業は、危険度が高く、事故が起きやすいのです。特にアルミの切断工事は、電動のこぎりを使用するのですが、アルミは熱伝導率が高く

切断点は摩擦で高温になり膨張しますが、切進めるうちにすぐに熱が下がり収縮して切断中の電動のこぎりの刃を締付てきます。油断をしていると電動のこぎりは、吹き飛ばされて身体のあちこちを傷付けてしまうのです。これが日常茶飯事なのです。

　「何とか安全な作業にできないものか？」と思いながら日々の作業に追われておりました。

　そんなある日の事でした。２０１１年３月１１日　１４時４６分です。東日本大震災に見舞われ、会社・工場・遊覧船・機械・車両・工具すべて流されてしまいました。

　幸いなことに、従業員全員が無事で人的被害は免れましたが、震災直後は以前の仕事はなく、従業員には、大変申し訳なかったのですが、事業の再開を約束して

一時的に失業保険の手続きをして全員退社してもらいました。

　　日本は、国土の全周を海洋に囲まれている島国です。そう言った特性から海産物をよく好んで食す人種であり、漁業・水産業・造船業どれをとっても欠かすことのできない産業なのです。

　社会的意義と、いち早く事業を再開させて従業員を再就職させたいとの思いを抱えて、いろいろやれること、今までやらなかったこと、仕事になるなら引き受け少しづつ従業員に声をかけて、事業を再開させてきました。

　ある程度事業の再開も落ち着いたとき、懸案事項であった　アルミの造船事業を「何とか安全な作業にできないか」このことが頭に浮かんできました。

色々と調べると　ファイバーレーザーで精度よく切断でき、酸化被膜ができずに、その後の溶接作業に影響しないことがわかりました。

　これなら「安全な作業にできる」と確信しましたが、見積を依頼すると費用が問題になりました。悩みました。悩みました。今までに経験したことのない
事業規模の設備投資です。社会的意義・肉体労働者の不足・従業員の安全な作業・考えました。考えました。ある朝、すっきり目が覚めました。

　　「導入しよう」とファイバーレーザー加工機の導入を決めました。　トルンプ社製　ファイバーレーザー加工機　TruLaser３０６０　６KW作業範囲　６０００ｍｍ×２５００ｍｍ　を導入して、同じ課題があったアルミ船を造船しているところに提案し、受注も順調に進んでおります。

　　一方では、国連が進めております　SDGｓ　の観点からもアルミ船は再生可能であり、FRP製の船舶の不法投棄の問題解決にもお役に立てる事業であり、さらなる事業展開が楽しみになって参りました。

　時代とともに、社会環境・ものの考え方は変化していきますが、本質を見つめ変化を恐れずに、常に前向きに経営理念の「金属加工を通じ、世界の発展に貢献する」を心に、前進すべく努力してまいりますので、なお一層のご指導のほどお願い申し上げます。